地鎮祭は、一般に「ぢちんさい」や「ぢまつり」と言っていますが、正しくは、「とこしずめのまつり」と訓みます。また、工事の着工に合わせて行う場合は起工式として行うこともあります。
地鎮祭の起源は古く持統天皇の御代(西暦690年)にはすでにこの祭の記録があり、古代より土木・建築等に伴う重要な祭りとしておこなわれてきました。
これまで永い間住みなれた土地に再建する時であっても、守護神に今までの感謝を申し上げ、日々の生活の中で気づかないうちに生まれ育ったかもしれない罪や災いを祓い去り、清々しい気持ちに立ち返って更なる幸福を願いたいものです。
地鎮祭は、私達の人生にも誕生以来いろいろな区切りがあり、その時々にまつりを行い無事発展を祈ることと同じく、建築を行う場合に於いても着工に当たり、その土地をよく祓い清め、守護神に工事開始をご報告し、安全と無事完成を祈願する大切なお祭です。
お祭りの中では盛砂に鍬などを入れたり、鎮物(その土地の末永いお鎮まりを願って謹製されたもの)を埋めたりする場合もあります。
以上のように、地鎮祭は建築における最初の最も意義深い重要なお祭りです。
地鎮祭の工事が始まると近所に迷惑をかけることもありますので、挨拶まわりも忘れずにいたしましょう。
□ 大安、友引の六曜他にも地鎮祭の吉日はあります。
暦の中の、二十八宿、 十二直を参考にして下さい。
□ 地鎮祭の祭事は、三隣亡・土用の期間は避けた方がよいと言われています。
● 三隣亡 さんりんぼう
「普請棟上げ、土起こし、修繕大凶」
この日に建築事を行うと、3件隣まで亡ぼすと言われています。
● 土用 どよう
春夏秋冬4回あり、土の動きが旺盛となる季節。
太陽が立春・立夏・立秋・立冬に入る前の18日又は19日間です。
土用中は四季の変化期に当たり土気旺盛なので、動土・穴掘り等の
土を犯す作業を避けます(基礎工事や土台造りなど)。
但し、建築では土用前に着工して、土用中も続けることは差し支えありません。
なお、土用中でも障りのない「土用の間日(まび)」に着手する方法もあります。
○ 春:土用の入り(毎年4月17日頃)〜立夏の前日(毎年5月5日か6日)迄
○ 夏:土用の入り(毎年7月20日頃)〜立秋の前日(毎年8月8日頃)迄
○ 秋:土用の入り(毎年10月20日か21日)〜立冬の前日(毎年11月7日頃)迄
○ 冬:土用の入り(毎年1月17日頃)〜立春の前日(毎年2月3日か4日)迄
○ 土用の間日
春の土用の間日=巳(み)・午(うま)・酉(とり)の日
夏の土用の間日=卯(う)・辰(たつ)・申(さる)の日
秋の土用の間日=未(ひつじ)・酉(とり)・亥(い)の日
冬の土用の間日=卯(う)・巳(み)・寅(とら)の日
神饌(しんせん)とは、神様に召し上がっていただく捧げ物です。
神事が終わったら、家でご家族でお召し上がりください。
お供え物をいただくまでが、おまつりです。
・ 米 1合
・ 酒 一升
・ 魚(尾頭付きのもの1、2匹)
・ 干物(するめ、昆布など)
・ 野菜(季節のものを中心に、2〜3種類)
・ 果物(季節のものを中心に、2〜3種類)
・ 塩(小皿に一盛)
・ 水(コップ一杯くらい)
地鎮祭 |
・神饌(おそなえもの) |
上棟祭 | ・神饌(おそなえもの) ・棟札(むなふだ),御幣串(ごへいぐし) →3日前までに神社にお持ちいただきます。 ※床の間もしくは祭事のできる場所に、 へそくらいの高さで台を作っていただいて、 おそなえものなどをのせておいていただきます。 |
新宅祭 | ・神饌(おそなえもの) ・座卓(テーブル) おそなえものをのせるもの ※座卓(テーブル)は、神棚・床の間の前、または、 床の間がない場合は畳の部屋、居間など祭事が出来る場所にご用意ください。 |